自転車趣味のブログ

ロードバイクについて個人的な体験を書いています。

使い終わったSPRINTER 25C チューブラーの状態をチェック

使い終わったSPRINTER 25C チューブラーを分解

使用状況

リアタイヤとして約1年半の間使用したSPRINTER 25C チューブラーを別タイヤに交換したので、どんな状態だったか分解して確認してみました。 使用終了時点では、トレッド面がほぼ平らな状態にまで摩耗しており、このタイヤのおいしい時期は過ぎていたと思われます。しかし、使おうと思えばまだ使えそうな感じがしていました。 シーラントを入れていましたが、ときおりバルブ部分が詰まっていたり、バルブを緩めると「水分」が噴き出してきたことがありました。 さらにサイドウォールに切り傷がありました。 自分自身の勉強のために、実際に分解してみて、各箇所がどのような状態になっているのか観察したかったので、実際に行ってみました。

チューブラータイヤのカット方法

以前にもチューブラーを分解したことがあり、今回も100均一のキッチンハサミでチョキチョキすればカットすることができました。 バルブ付近でカットした断面は、ズバリ以下の状態の通りです。断面方向にカットしただけでなく、トレッド面を奥行き方向にもカットしてあります。 向かって左側がトレッド側(地面に接する面)、右側がリム側です。トレッド側が厚くなっていることが分かります。中央はブチルチューブですが、ハサミでカットした際に潰れて、そのままシーラントの粘りで張り付いています。

トレッド

SPRINTERには、SafetySystem ブレーカー「ケブラーで補強された高強度ナイロン生地」の耐パンク層が織り込まれています。 トレッド面がフラット近くになる程度には摩耗していたとはいえ、耐パンク層までには、まだ1mm程度はトレッドゴムの厚みが残っていました。 やはり、コスト重視で練習用タイヤと割り切って最後まで使おうと思えば、もうしばらくは使えたようです。

サイドウォール部分

トレッド面からサイドウォール部分にかけては、1mm~0.5mm程度まで次第に薄くなっていきます。 サイドウォールの切り傷は、いつかバーストを招きそうで心配でしたが、実際はどうだったのでしょうか。

耐パンク層の裏側は綺麗なままでした。

サイドウォールを良く観察すると、切り傷は耐パンク層の手間で止まっていました。

チューブラーにシーラントを入れる目的

チューブラーにもシーラントをいれることで、パンクのリスクを軽減することができます。(リスクコントロールとしての回避策にはなりません。) また、エア漏れが減少し、数日経っても空気圧の減少が少なくなり、運用管理が楽になります。

 ただし、現実を踏まえると、深い傷を負った場合に、どこまでシーラントで対応できるかについては、結局のところ運次第と思います。浅いパンク程度ならば、その場から自宅に帰り着くまでの延命にはなるかもしれません。運悪く、より深いパンク傷を負った場合には、シーラントでは塞がらない場合もあります。中程度であった場合でも、チューブラータイヤは6気圧以上の高圧で使用するものであるため、いったんエア漏れが塞がったように見えても、空気圧を上げると、再度漏れてきてしまった現場を目の当たりにしたこともあります。(タイヤ内のシーラントが、ひたすらダダ洩れ状態になってしまうだけ。) また、シーラントを入れない方がタイヤ全体が軽量であることは間違いありません。

 そもそも軽量とはいえないSprinter25Cにシーラント補充する意義が見いだせなくなり、別途パンク修理剤とスペアタイヤを持ち運ぶ運用に立ち返りました。(どうせ同じコースばかり巡っている。最悪の場合でも、家族に迎えに来てもらうか、修理ピックアップをお願いできるサイクル保険にも加入している。)

チューブラーにシーラントを入れる効果をどう考えるか?

以下のプロチームによる評価によれば、以下のとおり。

  • チューブラータイヤが使用可能な期間中に、たった1回のパンクで、そのタイヤが廃棄になってしまうリスクは軽減できる。(状況次第・運次第だが。)
  • シーラントを入れても、転がり抵抗の増加は無視できる程度で心配しなくても良い。
  • シーラントによる重量の増加は避けられない。チューブラーのチューブは交換できず、乾燥分を差し引いたとしても、補充する度に重量は増加していく。

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シーラントの状態

シーラントには、Stans NoTubesを入れていましたが、装着時に入れたきり、追加では補充しないままで運用していたものです。シーラント運用では、本来は4か月~6か月程度での追加補充が推奨されているようです。 それでも、たまにバルブがシーラントで詰まってしまう症状は、最後まで発生していました。

バルブ付け根付近でチューブを切り裂いた様子です。シーラントはゴム化して張り付いており、指でこすった程度では剝がれません。チューブ内に水分が残っているだけで、これでは、実際にパンクが発生しても、とても塞がるとは思えません。やはり、定期的にシーラント補充は必要なようです。

バルブ詰まりは何故起こっていたのか?

タイヤ自体のバルブの内径は、爪楊枝が十分に通り抜ける程度の太さがありますが、カーボンディープリムに装着するために使用していた延長バルブ(シュワルベ)の側の内径はとても細いです。この部分にシーラントが次第に詰まってゆき、ついには塞がってしまっていたようです。ひどいときには、仏式バルブを緩めて押しても、全ったくエアが出てこない症状が発生していたこともありました。(その時は、バルブコアを外してしまい、文房具のゼムクリップを伸ばしたものを、延長バルブ部分に差し込んで、無理やりに詰まったシーラントを除去していました。)

チューブラータイヤの将来がやや不安

交換後もSprinterチューブラータイヤを引き続き愛用しています。 チューブレスタイヤが普及し、チューブラータイヤは、年々入手価格が上っているように思います。 このように価格面性能面のバランスの良いタイヤが長く存続していただけることを願うばかりです。