前輪と後輪で、ホイールに求める要素(剛性・慣性力・空力)をどのように考えるか?
- フロントホイールとリアホイールで、ホイールに求める要素(剛性・慣性力・空力)をどのように考えるか、ここまでの自分なりの考察です。あくまで一般論として自分なりに整理した内容です。
フロントホイールについて
- 強く影響するには、スポーク本数と強度(太さ)。そしてリム材質それからリムハイト(高さ)。
- フロントホイールの剛性が高ければ、ダンシング時に安定感が高まる、コーナリング時のコントロール性が高まる。
- ただし剛性が高すぎると、ネガティブ面も目立ってしまう。ラジアル組みでリアホイールと同じスポーク本数だと、過剛性すぎるかもしれない。
- 空力(空気抜けの良さ)という要素は、バイクの最初に空気がぶち当たることになるので、リアホイールよりもかなり重要度が高い。
- 高速巡行のためにホイール慣性力をフロントホイールにも期待しようとしても、リアホイールにトルクを掛けて後ろから押す必要があることになるので、あえてフロントホイールに求めなくても良い。
- 総じて、快適性を含めて考えると、フロントホイールに求められる剛性・空力・重さのバランスというのは、とてもシビアということになる。
リアホイールについて
- 剛性が高い方が、パワー伝達が良くなる。剛性不足のリアホイールでは、せっかく乗り手が頑張ってもバイクが前に進んでくれない。これは平地でも登りでも同じ印象。
- フロントホイールに比べると、役割がはっきりしているからか、考えるべき優先順位ははっきりしているように思う。
- 各要素を考える際に重視した方が良い優先順位は、以下のように思う。
ホイール剛性の高さ(パワー伝達の良さ) > ホイールの慣性力(リムハイト・重さ) > 空力(リムハイト)
ホイール素材と乗り方
- アルミリムの剛性感は、ダンシングのズムーズさ、ヒルクライムの楽さが心地よい。こうした場面では、やっぱり高剛性のアルミホイールが有利であろう。一方、カーボンリムは、そもそも素材の特性として多少のたわみがある。比べるならカーボンホイール同士でないとフェアではない。シッティングでズムーズにペダリングするような乗り方の方が合う。
クリンチャーとチューブラー
- クリンチャーは、25cになってエアボリュームが増え乗り心地が改善、接地面積が減少したことで抵抗の減少につながっている。ワイドリム化というのは正常進化である。ただし、リム内幅によって、取り付け時の実測幅が変化してしまう。
- チューブラーの乗り心地、コーナーの安定性の高さは、現代でもクリンチャーより有利。スペアタイヤの荷物のカサはやや増えてしまうが、ロングライドならチューブラーの方が疲れ難い。ただしタイムアタックのように、実際の速さという面では、最新のクリンチャータイヤに比べると、やや不利となる場合もある。
- チューブレス(レディ)は、クリンチャーからチューブを取り払うことができるため、単純にエアボリュームが増加する。そのため乗り心地・抵抗ともに有利である。エアボリュームがあれば空気圧を下げられる→振動吸収性が上る→縦振動が減りスムーズに進むことができる。